東京藝術大学入試情報サイト > 平田 彩

空間を芸術作品に

小さい頃、私は秘密基地を作る人になりたいと考えていました。
秘密基地というのはその人にとってプライベートで心地よく美しい空間である必要があると思います。

高校生になって美術部に入り美術を学ぶようになると、私がずっと作りたかった秘密基地のような空間は、芸術の一部であると感じるようになりました。

そして、空間を芸術作品として創作する人になりたいと思い、芸術の分野としての建築学に進むことを決意しました。

藝大生は、積極的に自分の意見を伝える人が多い気がします。
他人からどう思われるかを気にするより、自分がどう思い、感じているかを純粋に表現することを一番大切にしているのだと思います。
藝大での友人たちは、本当に心から意見を言い合えて尊敬し合える、素敵な仲間であり、ライバルです。

藝大での学部生生活は、主に科で出される課題が中心となります。
アルバイトをしている時でも、友達と遊んでいる時でも、いつだって課題について頭のどこかで考えています。

芸術や建築について普段から考えるようになると、今まで見ていた景色をいろんな角度から見るようになります。

本を読んでいるだけでは見つからない答えもあるし、体を動かして大きなものを作ってみないとわからないこともあります。
ものの考え方すらも自分で見つけ出して、参考資料もない、誰もやったことのないことをやってみます。
先生や助手の方々は、そういった私たちの手探りのものづくりを、豊富な知識と的確なアドバイスで後押ししてくれます。

そうしているうちに、ふといいアイディアが思いつき、自分の成長や生活の充実さを実感します。
こんなにたくさんの発見と実感の毎日は、藝大に入らなかったら得られなかっただろうと思います。

2016年4月から、藝大の大学院美術研究科に進学します。
4年間建築を学び、やっと建築の奥深さ・楽しさが分かってきたような気がしています。

私には、まだまだ勉強しなければならないこと、知りたいことがたくさんあります。

私が藝大で学んだことが、社会に出てから他の誰にもない価値となっていくよう、ものを創る人としての心意気を忘れずに建築をやっていきたいです。

(2016.06)

卒業制作「How to bloom it」

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バージョン 2