東京藝術大学入試情報サイト > 津上 裕

様々な音楽や知識、人との出会い

私は現在、邦楽科に所属し、尺八を専攻しています。

一度、芸術系ではない一般大学に進学したものの、そこで尺八という楽器と出会い、どうしてもこの楽器を本気で勉強したいと思って藝大への受験を決めました。

尺八は日本伝統楽器の縦笛で、竹という自然素材を使ったかなりアナログな楽器ですが、それゆえの奥深さに魅力を感じ、強く惹かれ続けています。


藝大での学生生活は、レッスンと練習を軸に講義に通う日々です。

毎週のレッスンでは、自分で勉強した成果を先生にぶつける気持ちで取り組んでいます。

講義では知識と共に音や映像に触れることが多く、自分の音楽体験が広がるような機会も多くありました。

図書館や研究室で音源や資料を眺めたり、各国の楽器を手に取れる小泉文夫記念資料室で過ごす時間も、心ときめく楽しい時間です。

私が藝大に入学して良かったと思うことに、同世代の音楽を志す仲間と知り合えたことがあります。同じ楽器を学ぶ先輩・同輩とは、普段言い合う冗談の中にも楽器への情熱を感じ、切磋琢磨する関係です。

また、身近にある他科の学生の幅が広いことも、自分の世界を広げるきっかけになっています。例えば、私の場合、今まで接点のなかった西洋音楽を専攻する学生や、近いようで遠かった他の邦楽器種の学生と日々当たり前のように隣り合って勉強していますが、それも藝大ならではの環境でしょう。

音楽学部に限らず、藝祭御輿の共同製作で知り合った美術学部の学生とも交流が続いています。

藝大には、様々な音楽や知識、人と出会うきっかけがそこかしこにありますが、それらは待っていても得られるものではありません。自分から求めて掴んでゆくことで、自分の世界を広げてゆくことができる環境、そういう場所が藝大なのだと思います。


私は、尺八演奏家を目指しています。

その道のりは決して楽なものではありませんが、今の環境を活かして目標に近づいていきたいと思います。

(2015.6)