東京藝術大学入試情報サイト > 内藤 淑乃

私が藝大デザイン科を志望した理由は、グラフィック、プロダクト、空間、映像など幅広く表現を学ぶことが可能な環境だったからです。高校を卒業したての私は、デザイナーになりたいと漠然と夢を抱いていたものの、将来どのような仕事で生きていくのか、ほとんど見当がつきませんでした。藝大に入りさまざまな分野の表現を学んだ上で、自分の好きな事、将来職にしたいと思うものを見つけて行こうと思いました。授業や講義の内容は基礎的な技術を磨くものから、答えのない未来の課題に向き合うものまであります。

最初の2年間は文字のデザインから、環境デザインまで個人とグループワーク両方を経験しながら幅広い分野を学んでいきます。3年次から選択制で関心が高い分野の授業を履修します。3年生からは課題の制作物が自由に設定されているので、自分の学びたい分野にフォーカスして制作していくことができます。クラスには実験的な制作をする人も、専門的な研究を進めていく人もさまざまです。周りはみんなやっていることがそれぞれ異なり、とても興味深いです。ひと学年45人という少人数ならではの環境で、学年関係なくクラスメイトや先輩後輩の作品もしっかりと見ることができます。自分の分野ではない部分も触れることができ、たくさんの刺激を受けながら、自分の方向性を絞っていくことができます。

私はこの3年間、芸大で学びながら多くのものが見えるようになってきました。自分の得意なこと、まだ苦手なこと、これから挑戦したいこと、将来仕事にしたいこと。自分には専門的な技術の勉強でまだまだ足りないところがたくさんあると思っています。卒業までに技術のレベル向上を目指すとともに、ただ仕事が上手にできる技術だけではなく、未来の課題を自ら発見し新しい表現で切り開いていく力を磨いていきたいと思っています。
芸大のそんな指導方針と環境に感謝しながら自分にしかできないことを模索し、将来人々や社会にとって価値あるものを自分の表現で生み出し、活躍していきたいと考えています。