東京藝術大学入試情報サイト > 小坂 初穂

私は元々音楽も美術と同じくらい好きで歌手になる為声楽を目指していましたが、楽譜が読めなかったので、歌手の道を諦めました。そこで、美術に進路を変更しアーティストを目指しますが、音楽も諦めきれなかったので、音楽も芸術も両方を学べるかもしれない大学…として藝大を志望しました。説明会に参加すると、音楽は勿論、多種多様な専攻や専門知識を持った研究生、学生、教授陣が一堂に集い、さらに国際交流が盛んで、留学費用を石橋財団などが補助してくれると聞き、留学を考えていたので朗報でした。幅広く学べる環境がより奥深い作品が制作出来ると考え藝大に志望を固めました。

実際入学してからはとにかく多忙な日々で希望以上に学ぶ事が多く、常に発見がある授業ばかりでした。1年では神輿を作ったり、繁華街で製作と展示を行なってみたり、ドイツで向こうの大学生と制作をさせてもらいました。2年では、カメラとサウンド編集を覚え、監督になって映像を撮ったり、パフォーマンスを考えたりしました。同じ専攻の同期であっても、それぞれの興味や目標、学んでいる事が違うので、同じ課題でもアトリエで一緒に制作していると、隣で知らない素材を使っていたり、話すと知らない世界を教えてくれるので何をしても勉強になります。さらに、今では東大生とAMSの活動を通して、芸術と科学について互いに意見交換しながら学んでいます。とにかく24時間では時間が足りないくらい楽しいです。

今興味あることは、ある帰国子女の子供が描いた母親の絵が、日本とアメリカで描き方が違うという記事です。これは、人間は環境が変わると、適応する為か、作品までもが変わるという事で、大学に入ってから課題の度に選んだモチーフや色やコンセプトが、今と過去の記憶や社会や環境とどう関わっているかを意識しながら制作するようにしてきました。これが将来、海外に赴き、風土も慣習も違う地に身を置くと、形成してきた人格や自分自身と、どう共鳴し!作品にどんな影響が出るのか、違いを研究し、新しい私の制作に繋げてみたいのです。