東京藝術大学入試情報サイト > 森永 実季

音響の人ってなんだかかっこいい…。音楽アーティストのライブに行ったときに、客席後方薄暗がりの中、蛍光色に光る機械を操っている人たちをみて、こう思ったのが音楽環境創造科(以下、音環)に入ったきっかけです。

藝大の音楽学部というと、ピアノやバイオリンなどひとつの楽器を専攻するイメージがあるかもしれません。ところが音環は、そのイメージとは違う、ちょっと変わった愉快な学科なのです。

音環は、学科内でさらに3つのプロジェクトと呼ばれる専門領域に分かれています。「創作」「音響」「アートプロデュース」です。おもに、「創作」は作曲、「音響」は録音や音響心理学、「アートプロデュース」はアートマネジメントや文化研究などを学びます。

こうした多岐にわたる専門のうち、私はプロジェクト音響に所属しています。クラシックからロックまで様々な音楽形態の録音やミキシング、映像研究科アニメーション専攻の方々が作る映像の音作りなどをしています。私は入学当初、音響に関して右も左もわからない状態でしたが、音楽学部器楽科の学生の演奏を録音するなどして、たくさんの技術的な経験を積むことができました。このように、器楽科をはじめ、学部学科を問わず、異なった知識経験をもつ人たちと互いに協力して学ぶことができるのも魅力のひとつに思います。

私は今、たくさんのスピーカーを用いた立体音響作品の制作に取り組んでいます。音環生の学習拠点となる千住キャンパスには、新鋭の録音環境と音響再生環境が整っていて、なんと22.2マルチチャンネル音響にも触れることできます。そこで実際に制作をしながら、立体音響の可能性や課題について探っています。

入学してから今日に至るまで、新しい学びに溢れた日々の流れは瞬く間で、学びたいことも経験したいこともまだたくさん残っています。学部生活は残りわずかですが、今後も引き続き音のことを学び、考えていきたいと思います。