東京藝術大学入試情報サイト > 副島 しのぶ
アニメーション専攻では、平面・立体アニメーションの実技的な課題や、アニメーション史などの座学を通して、今後も持続的な制作活動を続けていく上での基礎体力を培うことのできる場だと思います。私もまた、学部では藝大の先端芸術表現科に所属し、卒業制作で初めてアニメーションを制作したため、今後はより専門的な技術を学ぶと共に、将来的に何を目指して、何をテーマに作品を作っていくか、自分の制作のコアそのものを探るために、本学のアニメーション専攻に進学しました。
本専攻では、基本的に1年次と2年次でそれぞれ映像を一本仕上げるカリキュラムになっています。映像には、本校の音楽環境創造科の学生との共同制作で音響を作ることができるので、プロの声優やミキサーなど、学生レベルを超えた設備と人材の中で、より高い完成度を目指すことが叶います。他にも、卒業後に海外で活動を視野に入れた英語の授業や、制作活動に必要な助成金を得るためのプレゼンの授業もあり、卒業後も持続的に活動を行うことを前提に、具体的にカリキュラムが組まれていることも非常に心強く感じています。
アニメーション専攻に進学し、一番有意義に感じるのは、技術や知識など学術的な習得だけでなく、長期的な活動を支える作家の核そのものを見つめ直すことができる期間が得られていることです。高い技術と知識は強度の高い作品を造出する支えにはなってくれますが、卒業後も作り続けていくには、制作に対する自分の根本的な動機を知る必要があります。在籍中は課題や学内展示のプッシュによって継続的に作ることは可能ですが、卒業して何の外部要因も無くなった後も手を止めずにいることが、今後の課題になってくるのでしょう。そう言った面、在学中に自分が作品を作り続ける理由と向き合い、具体的な将来の展望を持って取り組めているのは、卒業後の活動に重点を置いた指導があるおかげだと思います。