東京藝術大学入試情報サイト > 栗山 美緒

オルガンとの出会いは中学生の時でした。

通っていた学校の講堂に大きなパイプオルガンがあり、母の勧めで習い始めました。あの大きな楽器を自分で操れる喜び、全身を使って弾く楽しさに惹かれ、もっとオルガンを学びたいと思うようになりました。先生からも母からも「目指すなら藝大」と言われていたので、藝大以外は考えていませんでした。

藝大は日本一と言われるだけあって、学習環境がとても充実しています。

普段は主に4つの教室にあるオルガンを使って練習しています。2年生以上は奏楽堂のオルガンを弾くことができるようになり、試験もここで行われます。家には電子楽器しかないので、学校で練習をすることが多いです。

週1回60分のレッスンの他、海外の先生によるマスタークラスが行われます。また数年に一度、現地へ出向き研修が行われることもあります。昨年度はオランダで行われた講習会へ参加しました。私はこれが初めてのヨーロッパでしたが、今まで写真でしか見たことのなかったオルガンたちを、実際にこの目で見て弾いた時の感動は忘れられません。

科特有の授業としては、洋書からその曲が書かれた時代に沿った演奏法を学ぶ「様式研究」、構造や世界各地の楽器の特徴など、オルガンについての基礎知識を養う「オルガン概論」、他にも「通奏低音」や「アンサンブル」、「即興実技」などがあります。

演奏の機会も、年2回の研究発表や試験以外に、藝祭や外部での学生主催のコンサートもあり豊富です。2018年秋には旧奏楽堂がリニューアルオープンし、毎月第2, 4週目の日曜日には学生によるオルガン演奏が行われています。

このように恵まれた環境ではありますが、ヨーロッパがルーツのオルガンを日本で勉強し続けるのにはやはり限界があり、見聞を広め技術を向上させるためには、現地で学ぶことも必須だと思いますので、行く行くは留学をしたいと考えています。

近年、オルガン奏者は年々減少しています。実際に私には同級生がいません。しかし、それは逆に活躍のチャンスではないかと思っています。視野を広く持って個性を生かしつつ、演奏を通して魅力を伝えられる演奏家になりたいです。

藝祭 奏楽堂コンサート2019

2019/7/30~8/7 オランダで行われた講習会