東京藝術大学入試情報サイト > 本間 賛
1,母が他美大の工芸科出身で、幼い頃から他の人よりも美術や工芸が身近な環境で育ち、絵を描いたり物を作ることも大好きだった事から、自然な流れで美術系の中高一貫校に進みました。そこで藝大の工芸科出身の先生に教わっていたという事も大きいですが、高校3年生になった時、中学高校生活をなんとなく過ごしてしまっている自分に気づき、自分に試練を与える意味で藝大を目指しました。
2,藝大の工芸科(学部)は専攻が大きく6つに分かれていて、1年生のうちは各専攻の素材を体験する他に、絵画、彫刻、日本画などの授業を受け、受験で凝り固まった頭をほぐし自分の表現の幅を広げた上で、2年生から各専攻に分かれて勉強します。私はその中から陶芸専攻を選びました。陶芸研究室はとても自由な雰囲気で、やりたい事をとことんできる分野だと思っています。
私の場合、普段は一日中研究室で制作をしている事が多く、制作に行き詰まった時などは藝大のアクセスの良さを利用して、午前中の人が疎らな時間帯に美術館に行き、作品を鑑賞してから午後に制作をしたり、朝から丸̶一日取手のエ房で制作を行ったりと、のびのび自分のペー スでインプットもアウトプットもできる環境がとても心地よいです。
当たり前かもしれませんが自由な分、活動的に動けば動くほど得られるものは多く、逆に自分から動かなければ得られるものは少ないと思います。陶芸分野に限らず、学びたいという意欲がある人には、褻大は充実した環境なのではないでしょうか。
3,これからも藝大の環境を最大限に生かし、積極的に研究と制作を続け、工芸というジャンルのみにとらわれず、幅広く活躍できる作家になるという目標を叶えるべく、強い意志を持って一 層の努力を重ねていきます。
(2021.05)
作品名:思考標本」 サイズ可変 2020年
素材:木材、陶土、アルミ線、画用紙、メディウム