東京藝術大学入試情報サイト > 田中 翔一朗

「創作者」への憧れ

作曲家を志すきっかけは、10代の頃のいくつかの「体験」でした。

13歳のときに読んだA.ランボーの詩集、同じ頃聴いたP.ブーレーズの「構造」、17歳の時に見たD.リンチの映画、そして18歳の時に見た観世寿夫の演じた世阿弥の「井筒」。

ピアノ演奏にも興味を持っていたため、一度目の大学進学では藝大の器楽科ピアノ専攻に進みましたが、作曲科の学生の様々な作品を弾き、多くの新しい音楽に触れるなかで、かつて抱いていた「創作者」に対する憧れをもう一度追求し、創作と演奏を共に究めることに挑戦してもよいのではないかと感じるようになり、ピアノ専攻の卒業試験から三ヶ月後、作曲科を受験し、二度目の大学進学を果たしました。


作曲科では週一回ずつの作曲実技Ⅰ(自作曲のレッスン)、作曲実技Ⅱ(エクリチュール―和声やフーガなど歴史的な作曲技法の修練―)のグループレッスンを中心に、第一線で活躍されている先生方による分析の授業や、オーケストラの試演会を伴う管弦楽法の授業(なんと自分が編曲したオーケストラ作品を実際に音に出してもらえます!)、音楽と言語の関係について考察する授業、そして国内外の一流の作曲家による特別講座など、多くの学びの機会があります。

また、優秀な演奏家の卵たちと対話しながら曲を作りあげていき、楽譜がすぐに音になるという刺激的な経験を、毎日のように積むこともできます。

そして、作曲科の先生方の助言や批評によって、自分でも思ってもみなかった展望や可能性が開けてくること、信じられないような能力を持った同世代の学生たちが切磋琢磨していることなどを考えると、間違いなく作曲を勉強するための最高の環境だと思います。

「作曲を身につけたい!」、「音楽とは何かを追求したい!」という人には、大きな充実感を得られる場所です。


私個人としては今後、ピアノと作曲の両面をできる限り追求しつつ、社会にも深く関わっていき、貢献していくことを目標にしています

(2015.6)

これからの主な演奏会出演予定(2016年7月)

7月22日 モーニングコンサート9
http://www.geidai.ac.jp/container/sogakudo/40684.html

 

ピアノ演奏風景

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室内楽作品(編成:Cl.,2 Vlc.,Pf.,Tape)より

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