東京藝術大学入試情報サイト > 山上 紘生

私が指揮者になりたいと決意したのは高校2年生の夏でした。その時は指揮者になりたいという気持ちは無く鉄道設計技師になりたくて普通科の高校にいた私ですが、縁があって岡山市ジュニアオーケストラでヴァイオリンを弾かせていただきました。演奏曲目であったドヴォルザークの交響曲9番の4楽章の演奏途中で背筋に寒気のようなものが走り、心の底から音楽ってこんなものだったのかと自分なりにですがとても納得しました。それと同時に一生音楽をしたいと思い芸大を目指しました。そのオーケストラは皆仲が良く、初回の練習に行った時はどうしようかと思いましたがひょうきんな打楽器の男の子がとても仲良くしてくれてすぐに打ち解けることができました。

なんとその彼が今は指揮科の同級生です。二人しかいない科に素敵な夏に出来た友達と入るなんてフィクションのドラマの設定みたいだなあと思っています。大学に入学してからはガラリと環境が変わり、様々な科にとてもユニークな人々が勢ぞろいしていて友達と会うために学校に行くくらいわくわくして毎日楽しいです。

指揮科に関して言いますと人数が少なく門下生全員でレッスンを受けるのですが、他の人が振っているのを見るのは自分の考えと比較することができてとても勉強になりますし、先輩方から直接助言を頂けて成長することができます。先生はとても偉大な方ですが、わからないところを質問すると親身に答えてくださったり休憩中には過去の大指揮者のお話をしてくださったりと本当に温かい方でいらっしゃいます。そのような先生のリハーサルを学内で見学できるのでとても恵まれています。年末にある試験では芸大フィルハーモニア管弦楽団を指揮させていただくことができとても貴重な体験です。

芸大にはたくさんのチャンスが転がっているので多くのことを吸収できるように一日一日を大切にして勉強を積み重ねていきたいです。