東京藝術大学入試情報サイト > エハラ・ヘンリー
★仲間と共に、楽しみながら真剣に映画を作る居場所
日本映画への憧れと横浜の再発見
中学校、高校は横浜のインターナショナルスクールで過ごしていましたが、大学はオランダのアムステルダムで文化や歴史などの国際教養を学んでいました。修士課程で次に何を学びたいか考えていた中、オランダで観た小津安二郎監督の映画「浮草」に出会いました。これに強く感銘を受け「日本で映画を撮りたい!」と考えるようになりました。
日本の大学から藝大を選んだ理由は、映画専攻のコミュにティの中で仲間と一緒に映画を作りたいという思いがあったのと、OB の濱口竜介監督の作品に憧れをもったからです。また映像研究科は横浜にキャンパスがあり、中高で過ごした親しみのある街を、新たな視点で見てみたいと思ったことも理由の1つです。
異なる文化・人との出会いを形に
映画専攻は、脚本から撮影、編集まで役割ごとに7つの領域に細分化されており、私は監督領域に所属しています。制作は監督領域の4人に他の領域の学生がつく形で4チームに分かれて行います。1年生で2本、2年生の現在(※2024年11月時点)1本映画を制作しました。机に向かう授業は少なく、多くが実習の時間です。
1年生の2月には、フランスの映像・音響の高等教育機関La Fémisを訪問しました。2年生の9月には、長野県諏訪市で地元の方に協力を得ながら、フランス人の主人公が夏休みに旅をするロードムービーを撮影しました。異なる文化のバックボーンを持つ人々が新しい土地で、面白い出会いや素敵な経験をすることに、私は強い興味があります。
映画の制作はみんなで楽しく
私が映画作りで大切にしていることは、まずチームみんなが制作を楽しむことです。メンバーと積極的にコミュニケーションを取り、遠慮なく意見を言える環境を作るのが監督の仕事だと思っています。
題材は自分の身近なもの(ペットや恋愛など)と、遠いもの(戦争や社会問題など)を融合することを意識しています。
映画の制作は金銭的・人的に多大なコストがかかるので簡単なことではありませんが、それでも卒業後は長く制作活動を続けて、もっと広いテーマを扱っていきたいです。
刺激的だけど、心地良い居場所
私は入学前も仕事をしていましたが、クリエイティブなことに共同で取り組むことができる学生の時間やコミュニティは、貴重なものだと思います。真剣に、だけど楽しみながら芸術や映画に取り組みたい人には、藝大の映画専攻はおすすめです。すごく刺激的だけど心地良い居場所だと思います。