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1、2年次にひと通り経験

受験生の頃、作品制作について今後いろいろなことを試していきたいと思った私は、様々なことを多面的に学べるような環境に身を置きたいと考えました。

先端芸術表現科であれば、まさに多岐にわたる技術に触れることで、自身の表現に見合うメディアを模索することができると考え、志望しました。

また、教授陣に現代美術の第一線で活躍されている作家の方が多かったことも志望動機のひとつでした。

私もゆくゆくは現代美術の領域で活動する作家になりたいと考えているため、そのような教員の元で学べるということは、作品制作の面だけではなく精神面でも自身の成長に繋がるのではないかと思いました。


先端芸術表現科は少し変わった科で、他の学科のようになにかひとつの技術に特化して専門的に学ぶということはありません。

その代わり、様々なメディアを扱う授業を1、2年次にひと通り経験することになります。

早い段階でありとあらゆる技術に触れることになるため、予想外な自身の特性や表現方法との出会いがあり、それをきっかけに制作スタイルが大きく変化する人もいます。

そんな先端芸術表現科では学生たちも皆個性豊かで、それぞれが様々な分野に取り組んでいます。

絵画、立体、写真、映像、音楽、身体表現、デザイン、キュレーション。

自分とは全く異なる視点を持った友人たちが周りにいるからこそ、私自身も自分の分野に邁進し、制作することができるのだと思います。


大学に入学後、夏季休暇などを利用して何度か欧米を訪れる機会があり、その経験を通して海外と日本ではアートの受け入れられ方が全く違うのだと実感しました。

ギャラリーや美術館の数や規模だけでなく、やはり一般の人々がどれだけアートに関心を寄せているのかという点が大きく違うように感じます。

私はこれからアーティストとして、日本でもっとアートが受け入れられるような地盤作りに努めていきたいです。そのためには積極的に海外にも赴き、日本のアー トの現状を内側からだけではなく外側からも考察していきたいと考えています。

(2015.6)

UenoPark4-8 (2015)

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Observer’s eye (2013)

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Delivery service (2014)

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プロフィール

濵口 京子 (はまぐちきょうこ)
1989年 東京都生まれ。
2015年 東京藝術大学美術学部先端芸術表現科卒業。現在同修士課程に在籍。

受賞歴
2013年 安宅賞受賞
2014年 平山郁夫奨学金賞受賞
2015年 平成藝術賞受賞
2015年 群馬青年ビエンナーレ入選
2015年 佐野ルネッサンス鋳金展入選
2015年 藝大アートプラザ大賞展優秀賞受賞

主な展示
2012年「GEISAI SENTAN 2012」(東京芸術大学 大学美術館陳列館)
2013年「Delta展-可能性の手触り-」(BankART)
2014年「Remote Wall」(上野公園寛永寺敷地内)
2015年「群馬青年ビエンナーレ 2015」(群馬県立近代美術館)
2015年「佐野ルネッサンス鋳金展」(佐野市文化会館)
2015年「Traffic site」(名古屋芸術大学)
など。