東京藝術大学入試情報サイト > 竹内 里紗

垣根を越えて協力していく

私は大学の4年間を自主映画制作に費やしてきましたが、より制作に集中できる環境を求めて東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻監督領域に進学することに決めました。

映画制作の先輩である教授たちのもと同世代の仲間たちと2年間みっちりと映画について考えながら作品を作っていくことは、学校という場でなければなかなか実現できない贅沢な時間だと思います。

入学して最初に刺激を受けたのは、監督領域のお互いの過去作品を観た時でした。
それぞれが全く違う方法で映画を作っており、こんなにも異なる考え方をしている4人が同じ場所で学んでいくのかと驚いた覚えがあります。

監督領域のゼミでは、諏訪教授からの問いかけについて考えたり、日頃の映画制作で考えていることを私たちから質問したりと幅広く映画の話をしています。
諏訪教授や彼らと話すことによって、自分がどのような映画を作っているのかということを認識し、今後どういった映画を撮っていきたいのかということを考えることができるので、私にとってゼミは実習に繋がっていく大切な場になっています。

実習では、7つの領域から人が集まって1つの作品を作ります。

私はいままで自分の作品を作る際には監督・脚本・編集を兼任していたので、脚本・編集を他領域の人が担当することに戸惑いました。
しかし、お互いに考えをぶつけ合う中で、自分ひとりではたどり着かなかったものができることもあるのだということを知ることができました。

実習は作品を作るという目的もありますが、その過程を学ぶ機会にもなっていると思います。

領域別に分かれていることで自分の分野に専念できる一方、互いに話し合う機会が少なくなってしまうこともあります。
実習では監督領域だからこそ、その垣根を越えて協力していく姿勢や場を作れるようになりたいと思っています。

来年度は短編と修了制作を作ることになっています。

私は卒業後も映画制作を続けていきたいと思っていますが、学生の間に撮る最後の2本は今、ここでしか撮れないものを撮りたいと思っています。

(2016.6)