東京藝術大学入試情報サイト > 田島 眞鴻
作品について学ぶことで制作の幅を広げたい
私は高校で油画を専攻していました。
大学を選ぶとき、制作だけでなく、別の方向から美術に携わることを考えはじめました。
知識を得たり、見た作品を誰かと共有したりなど、美術との関わり方は多様です。
作品について学ぶことで制作の幅を広げたい、と思い進学したのが、芸術学科でした。
ここでは日本美術史や西洋美術史、美学を学べるだけでなく、1・2年次には実技の授業があります。
作品制作の過程を体感した上で、美術や芸術を論じられる環境がある、ということが、藝大の芸術学科の特色です。
座学だけではなく、様々な制作を経験しながら勉強ができるこの環境が、自分に合っていると感じています。
入学して印象深かったことは主に2つあります。
1つ目は、2年次の奈良・京都への古美術研究旅行です。
寺社仏閣をまわり、仏像や絵巻、屏風などを直接見ることによって、観る力を養うことができます。
芸術学科では、事前に担当の作品について調べ、発表する授業があります。
各々で責任をもって旅行に臨むことが必要になります。
実物を見て、知識を学べたことは、有意義な経験となりました。
2つ目は、人々との出会いです。
美術学部の学生は、学芸員資格や教員免許を取得することができます。
これらの授業も、他科の学生と学ぶことができるため、魅力を感じています。
教職の授業では、3年次にグループワークを行います。
私はここで、自分では思いつかないような発想に触れ、刺激を受けました。
制作であったり、研究であったりと、方法は異なりますが、藝大生はどの人も自分がやりたいことに真剣に接しています。
そんな人々と関わりながら学生生活を送れることが、藝大で学べて一番良かった、と思えることです。
私は今、古美術研究旅行で興味を持った平安時代の和様彫刻について調べています。
4年生では、これまで学んできたことを、卒論という形でまとめていきます。
(2016.06)