東京藝術大学入試情報サイト > 古山 結

高校生の時に、日本画材で絵を描く機会があり、それを機に日本画専攻への進学を考えるようになりました。絵を描くというよりも工作に近い感覚があり「おもしろそうだな」と思ったのが最初の印象でした。日本画とひとくくりに言っても、扱う画材や支持体の材料、手法は人によって異なり、多様な組み合わせがあります。扱いづらさもあるかもしれませんが、画材と親しくなってくるとできる事も増えて、面白くなってきます。また、「日本画」という馴染みのない言葉について自分なりに考えたり、それを足がかりに自分にとって制作することがなんなのかを考えるには、良い場所なのかなと考えています。

大学へ入ってからは、25人前後のクラスメイトとの共同のアトリエで各々の制作を行います。4年間の学生生活の中では、東北写生旅行や、古美術研修など、クラス単位で行う科目も多くあります。他人の思考の仕方や、制作の過程を間近で見ながら自分の制作に向き合う時間は、とても貴重なものでした。アトリエから外へ出れば、他専攻の学生と話す機会もあります。それぞれの制作や専攻の様子などを聞くのも良いかもしれません。

大学院へ進学すると、3つの研究室に分かれます。第1研究室・第2研究室では制作を中心に行い、第3研究室では、制作に加えて国宝絵巻の現場模写を行う機会があります。研究室ごとの展示があるのも特色で、展示の企画運営を修士2年生が中心となって行います。

日本画専攻では、入試は鉛筆素描・水彩着彩で行い、入学してから日本画材を扱うことになります。技術を習得し、自分のものにしていくために、日々制作を行います。私にとっては続けて描いていくこと、その中でやりたい事が明確になっていくことで、自分が何をしたいのかを考えていく4年間になったと思います。

現在私は博士後期課程に在籍しています。博士は取手校地で制作を行っており、学部の時とは違い、少ない人数・人のいない環境で自分の制作と向き合うことになります。できるだけ柔らかい思考を持って、自分の制作に取り組んでいければと考えています。