東京藝術大学入試情報サイト > 萩野 久美子

1,将来何になりたいの? と言う質問がプレッシャーに感じていた小学生の頃、いつも将来の夢を探していました。周りのお友達がケーキ屋さんやお花屋さんになりたいと話しているのを聞いて、私には夢がない。と落ち込んでいたことをよく覚えています。
大学受験の頃、歌い手になりたいという夢が出来て、藝大の音楽学部に入学しました。学部を卒業してからは、歌うことが楽しいだけでは歌い手としては生きていけないことを痛感し、もう一度基礎から勉強し直す必要があると感じました。素晴らしい歌手である藝大の先生方に自分の歌を聞いていただき、「試験で合格する」これが私の再スタートの最初の目標となったので大学院を受験しました。

2,声楽専攻では独・伊・仏・日・英・宗教などの特別研究クラスがありそれぞれの言語の曲の理解を深めていきます。学部生と違ってレッスン以外にも授業内で教授陣に直接ご指導いただけるところが大学院の特徴だと思います。
個人レッスンが週に何度もあるような感じなので、それだけでも勉強のモチベーションが変わってくると思います。履修の仕方にもよりますが大学院1年目は結構忙しいです。
2020年は新型コロナウィルスという恐ろしい事態に陥りました。舞台で演奏する機会が減ったからこそ、この時間をチャンスと捉え普段より時間をかけて勉強したり、海外のマスタークラスをオンラインで受けたりと良いこともたくさんあると感じています。

3,歌いたい曲よりも今勉強するべき曲を見極めて5年後、10年後、30年後と長く歌っていける歌手になりたいと思っています。

(2021.05)