東京藝術大学入試情報サイト > 乾 真裕子

昔から音楽や本、映画や美術が好きで、それらに近づくためにはどうすればいいかを考えていました。中学高校とインターナショナルスクールに通っており、様々な社会的背景を持った人たちがいたので、その中で芸術の役割や可能性について考えていました。そんな中、シンディ・シャーマンの作品に出会い、私は芸術と社会の関係性に興味があるのだと自覚しました。受験の際に芸術を研究する立場になるか制作する立場になるか迷っていたのですが、先端芸術表現科ではそのどちらも境なく取り組めるのではないかと思い、志望しました。

大学に入ってまず思ったのは、同級生や先輩、後輩が今まで出会ったことのないくらい興味深い人たちだったということです。作品制作の際に議論や相談したりすると、私が思ってすらいなかった答えが返ってくるので、日々刺激を受けています。先端では、その人にしかできない考え方や表現方法を突き詰めていっている人たちがたくさんいます。様々な考え方を持った人たちがそれぞれの作品を作ったり研究したりしている環境は、自分の思考を整理、発展していく上で欠かせないことだと思います。

授業では、ドローイング、工作、身体、写真、映像、音楽、デザインなどのメディアに触れる機会があります。先生方もそれぞれ違う分野で活躍しているので、多方面からの視点を得ることができると思います。

私は現在、フェミニズムとパフォーマンスに興味を持ち、作品を制作しています。自分の身体をメディアにしたり、メイクをしたりかつらを被ったりなど身体を変容させることで、私自身のアイデンティティから離れ、イメージの揺らぎが生まれることについて考えたりしています。

今後は自分の思考を深化させるべく、世界におけるパフォーマンスやフェミニズムの歴史、現在の潮流を研究し、それを作品や論文に活かしていきたいと考えています。そして、身体やアイデンティティについて、既存の性差を超えた新しい可能性を見出していきたいと思っています。自分自身のアイデンティティを引く受け、それを固定化せずに疑い、時代を切り拓いてきたフェミニストのように、世の中の常識に対して疑問や意義を提示する姿勢を持ちながら現代美術に携わっていきたいです。