東京藝術大学入試情報サイト > 越水 恵子
1,芸術学科では、座学のみならず制作を体験し、美術を中心とする諸芸術に対してより深く向き合うことを目的としています。制作を本業とせず、しかし趣味というわけではなく半強制的に作ることに向き合わなければならないような環境を得たかったため志望しました。
2,実技制作以外の芸術学科のカリキュラムの特徴として、卒業要件に語学が多く含まれることが挙げられます。英語に加えて2、3言語を履修する人が多いですが、同時進行で初修の言語を学ぶには苦労も多いです。
他大学で学んでいた経験と照らし合わせて藝大の特徴だと感じることのひとつは、先生方の言葉選びが美しく、はっとさせられる瞬間が数多くあることです。特別に詩情を求めないような講義の場においても、詩的な言い方に躊躇のない環境は、ほかでは得難いものだと思います。
3,10 年ほど前、小学校の卒業文集か何かで将来の夢を書けと言われたとき、「作家」としたことを覚えています。子どもの頃から美術の道に積極的だったということではなく、「『作家』だったら何を作ってもいいから」というのが理由でした。
芸術学科は自分の手による制作をカリキュラムの中心とはしていませんが、古今東西さまざまの作品を見つめる中で、「つくる」ことに対しての目を日々養っています。
漠然とした言い方にはなりますが、どのような形であれ、日々の営みとしてつくることに携わり続けたいと考えています。
(2021.05)