東京藝術大学入試情報サイト > 西沢 晴

自分の限界を知りたい

小さいころから歌うことが好きで、より専門的に歌の勉強をしたいと思い、 音楽科のある高校に入学しました。
初めの頃はまだ思ったように歌うことが出来ず悩む時期もありました。しかし学年を重ね技術が少しずつ身についてくると、声も出てくるようになり表現の幅も大きくなっていく感覚にワクワクして、「今ここで音楽の勉強をやめたらもったいない! 自分がどこまで伸びるのか自分でみてみたい!」、そう感じて本気で音楽の勉強を始めました。そして本気で勉強するならレベルの高い大学に行きたいと思い藝大を志しました。

 

いくつもの壁を、成長のチャンスに

もし藝大に入学してあの人、この人のしゃべり声大きいなぁと感じる時があるかもしれません。恐らくその人たちは声楽科です。大学で過ごしていくうちにこの意味が分かってくると思いますがとにかく声が大きい、それが良い所でもあり悪い所でもあります。

そんな声楽科のカリキュラムですが、1年次では基礎的な音楽の知識を築き上げ2年次からは実践的な授業が始まります。
オペラ基礎演技では表現のための正しい体の使い方や演技に必要な感性の育て方などを学ぶことが出来ます。
2年次までは同じ声楽科の演奏を聴く機会が少ないですが、3年次は声楽アンサンブルやオペラ実習といった授業、オペラ定期公演の合唱としての出演など、声楽科の仲間と一緒に音楽を創っていく機会が増えていきます。
オペラ実習では実際のオペラ作品から重唱の場面を選出し、歌唱指導や演技指導のもと表現の基礎を学ぶことが出来ます。

このように声楽科では実際に人の前に立って歌い演じる場面が多いですが、時に他の人の演奏を聴き挫折することや、目の前に超えることが難しい壁が出来てしまうことが私は何度もありました。しかしこれらの経験は自分が成長できるチャンスだと捉え自分の音楽と向き合ってきました。
自分と同じ声楽科の人との関わりで歌うことの楽しさを知り、自分とは異なる学部や専攻の人との関わりで様々な視点にたって音楽について考える大切さを学ぶことができ自分にとって音楽というのもがどれだけ大切なものなのかを改めて実感することが出来ました。

こうした経験をしていく中で自分がどれだけ成長するのか自分で見てみたいと思うようになり、将来は音楽の世界で活躍したいと思っています。そのためにも残りの学生生活でより一層成長できるように積極的に取り組んでいきたいと思います。

 

自分の100%を発揮するために、体調管理を徹底する

声楽科は人気が高く倍率の高い学科です。今年受験を控えている皆さんに私から一言、体調管理を徹底してください。勿論、歌の技術や表現力を磨くことも大切ですが、今まで練習して積み上げたものを100%出すには、まずは自分の体調を整えることが第一です。
私は現役時代に体調管理が上手くできず苦い思いをしたことがあります。これは声楽科以外の人にも当てはまりますが、受験シーズンに最高のコンディションで挑めるように、普段から自分の体調に意識を向けながら練習に励んでください!