東京藝術大学入試情報サイト > 白川 深紅
受験する科を転々とした末に、先端芸術表現科へ
小学生のときに大学美術館で伊藤若冲の絵を見てから、藝大で勉強したいという謎の執着心が生まれました。中学生の時には現代の若冲になりたいという夢がありました。
江戸時代の奇想の画家達が、今、この時代に生きていたら、日本画家というよりもデザイナーだろうと思い、高校3年間〜1浪目までデザインを勉強していました。その後、2〜3浪目は日本画科を受験しています。4浪の時に、今まで作った作品を藝大の教授たちに見せて藝大は諦めよう♪、と思い、入試で唯一ポートフォリオを見てくれる先端芸術表現科(以降:先端) を受験したら入学できました。何はともあれ、最後は1番自分に合うところに行けるものなんだなと感じています。
幅広い分野の基礎を学び、自分の適性に気付く
4月に欲張って沢山の授業を履修すると、こりゃまた大変なことになります。 先端に入ると、写真や映像、音響、デザインから舞台美術に照明、電子工作や鉄の溶接まで学部2年生までに学ぶことになります。初めて触る道具を使い、短い期間で何かしらの作品を制作するのはとても大変ですが、自分のやりたいことや向き不向きがだんだん見えてくるので楽しいです。
もし先端に入っていなかったら、私は部屋にこもってずっとチューブ絵の具で絵を描いていたことでしょう。(それはそれで好きなことですが)
宗教美術への没頭
現在、私は国内外を旅しながら、マテリアルを探し、その土地のエネルギーのようなものを受け取って絵を描いています。先端から受けた影響は大きいと感じています。
現代の若冲を夢見ていた時から、宗教美術が好きで、今は仏教からヒンドゥー教、イスラム教美術へ興味の幅が広がっています。卒業後はトルコやインドを旅しながら美術を勉強し絵を描いていると想像しています。
仕事に関して、藝大に入ると何かしらのバイト募集のメールが来ます。試しに参加すると、世の中こんな仕事もあるんだなぁ、と驚かされます。人の輪もそこから幾らでも広げていけます。就職は考えていないので、何か新しい仕事を見つけたり、作ったりしながら楽しく生きれたら良いなと思います。
藝大を目指す高校生へ
大学美術館の入り口付近で、ココさんという、とっても優しいお姉さんが、 黒いキッチンカーで美味しいコーヒーを売っています。そこでは色んな科の藝大生が和気藹々と語り合って、ちょっとしたサロンみたいで楽しいですよ。是非来てみてくださいね。
重城病院(木更津)の壁画制作
インドシルク農家・手機・染色の50日間フィールドワークの様子