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無謀な藝大受験

私が声楽の道を志したのは、中学生のとき音楽の先生に勧められたのがきっかけでした。

その当時、ピアノやソルフェージュなど一切勉強したことがなかったのですが、やるからには日本で1番の大学で勉強したいと思い、無謀だと思いながらも藝大を志望しました。

それから、実技を中心にピアノや聴音など死に物狂いで勉強し、なんとか入学することができました。


藝大の授業・学習環境は、非常に恵まれていると感じます。

まず、私が1番魅力的だと思う点は、実技レッスンです。藝大では、日本をはじめ世界で活躍されている先生方のレッスンを受けることができます。

実技はもちろんですが、演奏家としての生き方や立ち振る舞いなど、様々なことを学ぶことができ、私にとって、週に1度のレッスンは何ものにも代え難い時間です。

また「声楽演習」という授業では、外国歌曲ごとに講座が分かれていて、それぞれの歌曲の正しい発音や演奏様式などを基礎から指導していただけるため、ロシア歌曲やスペイン歌曲など、慣れない言語の歌曲も積極的に学ぶことができます。

「オペラ実習」は、オペラに必要な演技力を磨き、実際にオペラの1場面を演じる授業でした。指揮者・演出家・ピアニストの先生方から音楽・演技指導を受けるので、実際のオペラの現場にいる感覚で学ぶことができます。

学内の環境も充実していると思います。「憩い」と呼ばれる交流スペースでは、休み時間や授業の空き時間に学年・学科関係なくたくさんの人が集まって、そこでの何気ない話から演奏会の企画が生まれることもあります。また、図書館には大量の楽譜や資料があり、広々とした学習スペースでは、試験前になると多くの学生が勉強に励んでいます。


私は今、大学院でより専門的に声楽を学んでいます。この藝大で学んだことを生かし、世界の歌劇場で歌うことが私の夢です。

このページを読んでいるみなさんも様々な夢を持っていると思います。藝大で、夢への第1歩を掴んでください。

(2015.6)

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プロフィール

鹿児島県出身。東京藝術大学音楽学部声楽科首席卒業。卒業時に大賀典雄賞、松田トシ賞、アカンサス音楽賞、同声会賞受賞。現在、東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程在学。第63・64回全日本学生音楽コンクール全国大会入選。第64回瀧廉太郎記念全日本高等学校声楽コンクール第1位。第85回読売新人演奏会出演。オペラでは、G.ドニゼッティ作曲≪愛の妙薬≫ネモリーノ、G.ヴェルディ作曲≪椿姫≫ジュゼッペ、W.A.モーツァルト作曲≪フィガロの結婚≫バジリオ、ドン・クルツィオを演じる。また、J.S.バッハのカンタータやL.V.ベードーヴェン「第九」等のソリストを務める。九州交響楽団、鹿児島交響楽団と共演。2013年度、青山財団奨学生。2013年度、明治安田クオリティオブライフ文化財団奨学生。2015年度、東京藝術大学宗次德二特待奨学生。これまで声楽を大友幸世、Charles Spencer、Franz Lukasovsky、吉田浩之の各氏に師事。