東京藝術大学入試情報サイト > 清家 美佳
「音」に力を入れる制作
私は入学する以前より作家として作品を発表することを経験しており、いくつかの大学で非常勤の教員として授業も持っていました。
大学院への進学を考えた理由としては、今まで専門的な勉強をしたことがなかったため今一度勉強し直したいと考えたこと、職業柄学位の必要性を感じたことなどが大きいと思います。
地元の大学院を受験するという選択肢もありましたが、アニメーションの専門を謳っているのは私が知る限りでは国公立でここだけであり、設立当初から存在が気になっていたため藝大を受験するに至りました。
1年間を過ごして印象に残っているのは、まず1年次制作・修了制作ともに作品につける「音」に力が入れられていることです。
作品の音作りの多くは藝大の音楽環境創造科の方とのコラボレーションで制作していきます。
音楽がある場合は楽器での演奏を用いる例もあり、音付け後に初めて見た時は同期生たちの作品の変化にとても感動し、音の重要さを改めて感じました。
最終的にはプロの技術者にMAで音のミキシングまでしていただきます。これにより音の完成度が格段に高くなり、作品そのものが強化されます。
他には、アニメーション史の先生が詳細な事柄をご教授くださるマニアックな方だったことがとても記憶に残っています。
またゼミでは、想像していたよりもずっと多様な作品が受け入れられ、求められてもいるということをいつも感じています。
実験的なものや私には考えつかないようなアイディアを出してくる仲間がいて、それらに対応される先生のお話もまた自分では発想し得ないものであることが多く、ゼミはいつも和やかでありながら刺激的です。
修了後は、カリキュラムの中で学んだことだけでなく再び「学生」として経験したことや考えたことを生かし、博士後期課程への進学を視野にいれながら、できればまた以前のように大学等で授業を持ちたいと考えています。
もちろん作品制作は仕事をしながら今後も続けて行きます。
(2015.6)
一年次制作作品「黒い猫」(2DCGアニメーション)
修了制作作品「ふりだし」(2DCGアニメーション)
プロフィール
大阪府生まれ。長い期間の社会人を経てから東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻に 2014年に入学。2016年3月に修了見込み。