東京藝術大学入試情報サイト > 岡 ともみ
先端入学前は他大で数年デザインの勉強をしていました。デザインは好きだったものの人生的に専門にする気持ちが湧かず中退し、大きいもの、動くもの、新しいものをやりたい気がして「先端」という学科の響きで受験を決めました。入学当初はデザイン科との考え方のギャップに悩みましたが周りの友人の多種多様な思考回路や制作のプロセスに惹かれ、様々な制作スタイルを試しながら自分の進む方向を考えてきました。
現在はプロジェクターでの映像投影と空間のセッティングで新しい視覚効果をつくることを軸に、個人名義のインスタレーション制作とユニット名義の舞台制作や演出の両軸で活動しています。学内外のひとに声をかけ大人数で制作することも多く、自分以外の人の参入によって作品が生き物のように脱皮していくことの魅力を常に感じています。
また、先端に入ってから、自分の作品が社会の中のどのような位置に属し、どのようなことが求められているのかということを意識して制作するようになりました。もちろん学生時代に自分のやりたいことを追求し、作家人生の元となるような強いモチベーションを生成しておくことはとても大事だと思っています。ですが、卒業後の人生や作家活動を考える中で、自分の作品が社会の中でどのようなものとして扱われるのかに意識的であることもまた重要だと思います。私は大学外で作品を発表したり、仕事として映像を作ったり投影の設計やオペレーションをする中で、自分のやりたいことと外からの要請のギャップや想定外の受け取られ方があることを日々体感するようになりました。藝大には同じように、学内の活動のみならず学外でも精力的に作品を発表したり制作に関わる仕事をしている友人もいるので、今後の生き方や活動について話し会える環境がありとても助けになっています。まだ現在進行形で迷ったり悩んだりすることは多いですが、自分が人生をかけてやって行きたいと思えることを大事に育てつつ、社会にどのような価値として自分の活動を発信していけるのか実践を通して考え続けていきたいです。
タイトル: 岡山市柳町1-8-19
英タイトル: 1-8-19,Yanagimachi,Okayama-City
制作年: 2018年
材質: 家具、花器、プロジェクター、アクリル板
音楽: 小林有毅 写真: 野口翔平
タイトル: Dance×Projection-mapping
英タイトル:同上
制作年: 2015年
材質: ミクストメディア
写真 : 伊東五津美
タイトル: TRIP
英タイトル:同上
制作年: 2016年
材質: ミクストメディア
タイトル: Bohemianvoodooライブ演出
英タイトル: Visual effect of Bohemianvoodoo Live
制作年: 2016年
材質: 映像、糸
プロフィール
東京藝術大学美術学部先端芸術表現科を首席で卒業、2018年現在同科修士課程在籍。 プロジェクターの特性をつかった映像表現を主とし、プログラミングや電子工作を併用しながら時間軸のある作品を制作している。舞台演出・制作をてがけるユニットZEN-NOKAN(ゼンノウカン)代表。主な活動に「オープン・スペース 2018 イン・トランジション」(ICC)、舞踏カンパニー大駱駝艦「宮崎奴」映像制作・設計(吉祥寺・壺中天)など。