東京藝術大学入試情報サイト > 横山 響
180度の方向転換
楽理科は音楽に対して様々な角度から向き合える学科だと思います。
他の学科の人に「楽理科って何をやってるの?」とよく聞かれますが、人によって研究内容などが違うので、一言で答えるのはとても難しいです。
各々が興味のあるテーマについて研究し、切り口も人によって違います。
また研究だけでなく、演奏活動やコンサートの企画・制作等を積極的に行っている人もいます。
私の場合は、西洋音楽の勉強をしたくて楽理科に入学しましたが、現在は日本音楽史のゼミに入り、人形浄瑠璃文楽を専門にしています。
カリキュラムが充実しているので、西洋音楽だけでなく様々な音楽について1・2年次の間にしっかり学ぶことができます。
私が西洋音楽から日本音楽に大きく方向を変えたのは、初級演習というゼミ形式の必修授業で三味線音楽について発表したことをきっかけに、日本音楽を好きになったからです。
副科実技で三味線や箏を履修し、実技も学びました。
卒業論文では、文楽の音楽様式をテーマにしています。
慣れ親しんだ五線譜には表せない微妙な音程やリズム、曖昧なイントネーションなどに注目し研究するのは難しいですが、とてもやりがいがあり面白いです。
一方で私は藝祭や五芸祭の実行委員をやったり、コンサートの企画・制作に関わったりと学業以外にも色々と挑戦しています。
藝祭や五芸祭は音楽学部だけでなく美術学部の学生とも話をする機会があり楽しいです。
藝祭の御輿やメインビジュアル等、美術学部の本気を肌で感じられるのは、とても刺激的です。
また、コンサートの企画・制作は、入学して3ヶ月経った頃に、私と同じ授業を履修していた楽理科の先輩に声をかけてもらい、オーケストラのコンサートのお手伝いをしたのが始まりでした。
その後も学内だけでなく、外部でもいくつかのコンサートの企画・制作に関わり、練習の立会いから本番のスタッフまでこなしたり、チラシやチケットを作ったり、渉外活動をしたりと、裏方の仕事の面白さを実感しながらとても充実した学生生活を送っています。
将来的にはこれらの経験と楽理科で学んだことを活かして、アートマネジメントに関わりたいと考えています。
(2016.6)