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本当は何をしたいのか

高校は中国、北京のインターナショナルスクールに通っていました。
美術の授業ではアメリカ人の先生とイギリス人の先生がおり、授業中によく現代美術館やギャラリーに連れていってもらったり、自分で設定したテーマで自由に作品を作れました。

そのような環境の下で現代アートに興味を持ち始め、海外で美術大学に行き、アーティストとして生きて行きたいと思った私でしたが、海外での生活が長かったため、日本人として日本のことを知らなすぎていたことに気がつき、日本の大学を受験しようと決めました。

大学では興味を持っていなかった分野までなるべく広く授業を受けるようにしていました。

先端では、1年生で幅広く色んな素材やメディアを扱い、2年生では少しメディアに絞り込み、その後3年生ではある程度自分にあった素材やメディアを決め、4年生の卒業制作に持って行くという形のカリキュラムでした。

とにかく多様なものに幅広く手を出したがる私にとってはとても合ったカリキュラムでしたが、2年生の後半で自分が本当は何をしたいのかがわからなくなっていました。
そこで、3年生のときに小谷先生が新しく作ったミクスドメディアプラクティスという授業で、逆にメディアを指定されて作品を作らなければいけなくて、それが自分のやりたいことだとはっきり見えさせてくれました。

制作費や生活費を自分で捻出しなければならず、アルバイトを何件も掛け持っていました。
アルバイトもなんでもやるのではなく、制作のために知識や経験が得られる仕事を探すようにしています。
特殊塗装屋で働いたり、牧場で働いたり、英語を教えたりしているのですが、塗装屋さんでは塗装の技術が身に付くだけでなく、まだ工事中の現場で作業があるときに周りにいる大工さんに道具の使い方を聞いたり、まめ知識を教えてもらったりしています。

今後も作家として生きて行きたいので、大学院に行き、作品のコンセプトをしっかりと深めていきながら、海外で展示をしたり、卒業後の制作環境を徐々に作っていこうと思っています。

(2016.06)