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 どうやって形にする?

私は普段、上野から日比谷線で10分の位置にある千住キャンパスで勉強しています。音楽環境創造科や音楽音響創造研究領域の学生は、「自分がやりたいことを、果たしてどうやって表現しようか」という事に対してとても真面目です。論文の発表から演劇まで、その形は様々です。

小さな千住キャンパスでの生活は、好奇心が刺激され、ワクワクします。そして開放感があります。(そして中庭もある。)
普段私が制作している隣の部屋では、音響心理学と録音を専攻している同期がいますし、下の階ではアートマネジメントや音楽社会学、演劇を学んでいる後輩がいます。

すぐ訊ねることができる距離に、音楽を様々な面から考えるきっかけを与えてくれる仲間がいます。
そんな環境にいれば、一人でぼーっと考え事をしている時よりも、広い視野を持つことが可能なのではないか。
これが入学しようと思った動機です。

今私が興味を持っているのは、「音のつながり」です。少し比喩的な話ですが、「音の家族」を想像してみてください。例えば、グラスに飲み物を注ぐ音と、くしゃみの音が結婚したらどんな音の子供が生まれるでしょうか。水が流れる音の親は、どんな音でしょうか。

ちょっと考えてみてください。

もちろん音は結婚なんてしません。けれど、これらのおままごと的思考が、日常生活での意識をなんとなく変えてくれる様な気がしませんか?

そんなことを考えながら、最終的に作品を見た後に、見る前とは少し違った日常を感じることができる作品を制作しようと計画しています。少しもったいぶった言い方ですが、「鑑賞者に自分の感覚をインストールする」といった感じでしょうか。なにはともあれ、ああでもないこうでもないと試行錯誤しながら制作してまいります。(来年2018年の修了制作展でお披露目できるかもしれません。来て頂けたらとても喜びます。)

昨年2016年の千住アートパスのリハーサル風景。サクソフォン4本とライブエレクトロニクスの曲を発表しました。千住キャンパスには、高度な設備を持ったスタジオがあります。

最近、携帯で撮った写真に光線を描き足して、この世の終わりのような風景を演出するということを趣味でやっています。(#raycapt で検索!)
プロフィール
川島大輔
東京藝術大学大学院音楽研究科音楽文化学専攻音楽音響創造研究領域修士2年。後藤英研究室所属。https://daisukekawashima.tumblr.com