東京藝術大学入試情報サイト > 野口 真美子

1.小学生の頃にものづくりに関心を持ち始め、中学生の頃に特に空間演出やアニマトロニクスに憧れて美術の道に進むことを決めました。
高校2年生の頃に美術予備校に通う中で彫刻の勉強をしようと決心しました。三次元の表現をするに当たり、その造形であることへの造形力やデッサン力による保証が欲しくて資格を取るような感覚で受験していました。
多浪しましたが、その時間でとても貴重な経験を得ることができました。

2.彫刻科は何かを一点集中してつくり上げる場というよりは様々な交流の中で周りの作品や人に影響されながらつくっていく場だと感じています。
講評やミーティングは、先生たちとの会話を通じて得るものが多く、他の学生の考えに触れられるのでとても刺激的です。また、彫刻概論やメディア特論など学科共通科目もとても興味深く、単純な座学ではなく実があり視点があり大変勉強になります。大学生活の中でヒントや鍵の破片をそこら中にばら撒いてもらっている感じです。
今年度は、COVID-19の影響で3年の前期は大学に講評時しか入れず、特に実材を扱うことの多い彫刻科では素材や大きさを捉え直す機会になるなど、色々な問題をつきつけられました。また、後期に入校が許可されてからもガラリと変わった生活の影響は大きく、半年間で捉え直していっていた部分とそれでも以前の様に戻っていこうとする自己の内外の力や動きの間で、もがきながら制作しています。

3.目下の目標は卒展で、作品としての強度をしっかりと持った気配や予感のある作品を提示することです。長期的な展望としては、彫刻は続けていくことがとても重要だと思うので、動けるうち生きている限りはずっと続けていきたいと考えています。

(2021.05)