東京藝術大学入試情報サイト > 龍村 景一

1,2,本学の油画専攻を卒業したのち大学院映像研究科メディア映像専攻に入学しました。
入学前は卒業生の作品傾向を観察したり在学生に環境の実情を聞きこみました。
本専攻では入学後3か月半の間「特別演習」という期間があり、教授が約2週間ごとにフルコミットで講義を行います。学生は各特演ごとに制作し、教授達
は各自の研究領域の観点からそれらの制作物を批評します。
この間で学生は一度ふるいにかけられ、その後年2回の成果発表展を経て、最終的な修了制作展に臨みます。
と、ここまでが例年までの本専攻のおおまかな流れですが、私が入学した2020年度からはCOVID-19の感染拡大に伴い、本専攻も遠隔授業の導入を余儀なくされました。
機材利用の制限や通信環境の不備による学生間の格差が予想されるなど、遠隔授業には当初不安がありましたが、個人的に、起きていることが歴史だと感じていたので、歴史を現場で過ごせる貴重な機会だと思うことにして、在学を継続しました。
本専攻は早急に通信環境の整備に必要な機材を学生に配布してくれました。
また、特演ではこの貧しい環境下でなにを作れるかということについて常に思索と試作を重ねることを求められ、それは先行き不透明な現状に必要な基礎的判断力を培うことにつながっていると感じます。

3,現在の個人的な関心事は情報編集です。卒業後の活動では現代の環境でこそ実現可能な書籍や映像の編集に携わっていきたいと思います。

(2021.05)

「ヘテロリウム・サファリ」2020/webサイト

「EDITDEMIC」2021/12分/映像

【プロフィール】

1995年生まれ、東京都出身。2020年東京藝術大学絵画科油画専攻卒業。 同大学大学院映像研究科メディア映像専攻在学。映像とグラフィックノベルを制作。 主な著書に、存在しないゲームの攻略本「まぼろしのインディーズゲーム PeepingPension 完全攻略本」。 アンデパンダンマガジン「超漫パンゲア」編集長、オンラインショップ「純喫茶バイオレンスバズーカ」代表など。出版グループ「アロョイ文庫」編集担当。